ピル


日本への一時帰国中に子宮内膜症との診断を受け、治療のため超低用量ピルであるルナベルULDの服用を開始しました。

今後はピル服用記録の投稿もしていきます。また、同様の症状をお持ちの方が病院を受診するきっかけになることを祈り、今回はピル服用までの経緯を投稿します。

ピル服用に至るまで

子宮内膜症と診断されるまでいくつかの前駆症状があり、計5つの病院にかかりました。診断を受けるまでの経緯と前駆症状をご紹介します。

性交痛と生理以外の下腹部痛が発生

最初の症状は生理以外に起こる下腹部痛でした。
2014年から頻発し始めましたが、鎮痛剤を飲む程ではありませんでした。ちなみに生理痛は初経当時から有りました。

産婦人科を受診しましたが、内診、エコー、性病・子宮頸癌・膀胱炎・肝炎検査はどれも問題無し。痛む時期がちょうど排卵時だったので、排卵痛と診断されて様子見に。

その後も下腹部痛は続きましたが、排卵痛と信じて過ごすこと1年後の2015年、突然新たな症状が出てきました。
現れたのは性交痛
膣の奥が痛く「ぐぬぬ...」と呻く程の痛み。ただそこまで痛かったのはこのときのみで、以降は少し強い痛みを偶に感じる程度でした。痛みが毎回ではなかったせいで相手の男性の所為だと思い、気にしつつも真剣に心配していませんでした。

下腹部の激痛あらわる

そしてまた1年が過ぎた2016年、突如下腹部の激痛に襲われました。

まるで子宮か卵巣が爆発した様な痛みで、倒れてのたうち回りました。痛みでまともに声も出せず「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」と某伽椰子状態。
冷や汗で全身びっしょりな上に下痢と嘔吐の症状も出てきて、トイレに座った状態で洗面器を持ちながら上も下も洪水状態(汚い表現ですみません)。

この状態が約30分続き、救急車を呼ぼうと決心したところで痛みが引き始めました。それ以降は強めの下腹部の鈍痛が残るものの2・3日でそれも消えました。
しかしこの激痛は1年後に再発。そのときは下腹部の激痛・下痢に加え、肛門痛(突き上げるような痛み)も発生。

再度産婦人科を受診

激痛に恐怖した私は、この頃下腹部痛が毎日発生していたこともあり1回目の下腹部の激痛の後に近所の産婦人科を受診。
エコー、性病・子宮頸癌検査はまた問題無く、腫瘍マーカーCA125の値は14 U/ml。
子宮内膜症患者はCA125の数値が高くなる場合がありますが、人によっては基準値(35 U/ml以下)以下でも発症している場合があります。なお、生理前と生理の時期には数値が高値になるため、検査時期に注意が必要です。

内診の結果から、超初期の子宮内膜症、あるいはエコーで見えない部分に子宮内膜症を発症している可能性有と診断され、場合によっては腹腔鏡手術が必要とのことで総合病院に紹介されました。すぐに腹腔鏡手術で有名な東京の総合病院を受診。
そこで産婦人科の教授に診てもらいましたが、エコーと内診で問題無しとされ、

教授「子宮内膜症は考え過ぎ(笑)この状態で手術しても『何も無かった』で終わる。それより下腹部痛が毎日あるなら胃腸科に行って。性交痛もきっとそっちの問題だから。」

と帰されました。教授と研修医に「考え過ぎー!はははは(笑)」と笑われて非常に不快な診察でした。
ということで次は胃腸科に行ってきました。

子宮内膜症にほぼ確定

後日胃腸科で人生初のMRIを体験。
結果、MRIでは子宮内膜症の癒着は見え辛いため癒着の有無は確認できず。周辺の臓器は問題無し。血液検査でも問題は発見されず、「胃腸科的には問題無し」と診断されて終了。

そして近所の産婦人科に再度出向き、総合病院と胃腸科での診断結果を説明。そこで初めてピルの服用をすすめられました。

結局そのときは下腹部痛が少し落ち着いたのでピルの服用は見送りました。
しかし渡米後に生理が1ヶ月止まらなくなったり、不正出血も出始め、アメリカの産婦人科でも子宮内膜症の疑いありと診断されてしまいました。このときCA125は17U/mlに上昇。
更に下腹部痛と生理痛も悪化してきたので、今回日本の総合病院(前述の病院とは別)で診察を受けたところ「やはり子宮内膜症でしょう」と。再度ピルをすすめられ、ついに服用を開始しました。


2014年から5年掛かって子宮内膜症という結論へ終着しました。
私はダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)に発症している可能性が高いとのこと。ここに発症するとエコーでは確認できません。確定診断は手術をしないとできないのであくまで「疑い・可能性」です。



私の婦人科系の症状は以下に示す通りで、典型的な子宮内膜症の症状でした。
・生理痛
・性交痛
・肛門痛(1回だけ)
・排卵期以外の不正出血
・多量の経血とレバー状の血の塊
・腰痛と生理以外の下腹部痛(共にほぼ毎日)

ただし生理痛に関しては、痛みで蹲ってしまうこともありましたが鎮痛剤無しでもなんとか乗り切れる程度でした。内膜症の発生場所によっては排便痛もあるようです。これらの症状がある方は一度産婦人科を受診することをおすすめします。

ピル服用後の体調

ルナベルULDは21日間服用して7日間休薬するスタイルで、これを1セット(1シート)とカウントします。1シート終了時点での体調は下記の通り。
効果
下腹部痛が減少、不正出血無し

副作用

背中のニキビ、頭痛

残念な点

生理痛と生理前の肌荒れ(ニキビ・口内炎)は健在

休薬期間中に5日間生理(消退出血)がきました。経血量は激減して23cmのナプキンでカバーできる程度に。これは感動!!

副作用の血栓症と血圧上昇が特に怖いので、それらは注意深くみています。超低用量(Ultra Low Dose)タイプは血栓症のリスクが下がったとは言え、ゼロではないから怖いですね。毎日2回(朝晩)の血圧測定も始めました。

ピルは卵巣癌、子宮体癌、大腸癌のリスクを下げますが、乳癌と子宮頸癌のリスクは上がるそうです。勿論服用期間にもよります。年1回の子宮頸癌・乳癌検診と、毎月の乳房の自己検診をこれからも続けます!

ルナベルULDは海外では処方されない

普段アメリカに居住しているので、あちらでもルナベルULDを服用するつもりでしたが、ルナベルは日本の製薬会社が作っているもので海外では販売されてないとか(泣)実際アメリカでは処方されません。

海外によっては入手できる所もあるかもしれませんが、基本的に海外での入手は困難と考えてください。特に海外居住者の方はその旨ご注意を。
とりあえず日本でルナベルULDを1年分処方してもらったので、それを持って一旦アメリカに戻ります。

本当に居たヤブ医者

この話は余談になります。

この5年間で5つの産婦人科に行きましたが、1人だけヤブ医者が居ました。
前述の婦人科系の症状について病院で説明すると、エコーと子宮頸癌・性病検査をされましたが、その際内診をしてくれませんでした。
普通の産婦人科医は内診として痛みの出ることの多い箇所を指で押したり、お腹を抑えたりして診てくれますが、その医者は一切せず。
更に

ヤブ医者「子宮と卵巣は綺麗で肥大もありません。検査結果も問題無いですし、下腹部痛と性交痛の原因は不明です。不正出血はホルモンバランスの乱れでしょう。痛いときは市販の鎮痛剤を飲んでください。」

「痛みがほぼ毎日あるんですけど、365日鎮痛剤を飲めということですか...?」

ヤブ医者「そうです。性交前にも服用してください。」

「(駄目だこいつ…早くなんとかしないと…)」


鎮痛剤を毎日飲んだら臓器の障害が出る可能性が高くなりますし、効かなくなりますよ。
『エコー診察で問題が無ければ原因不明。鎮痛剤飲んどけ』という上記の様なヤブ医者も実際居るのでお気を付けください。ちなみにその病院のGoogleレビューは低評価で辛辣なものばかりでした。

PID(骨盤内炎症性疾患)の可能性も考える

私の婦人科系の症状は前述の通り。そして関係あるか分かりませんが、先日呼吸がままならない程の右上腹部の激痛に襲われました。後日胃腸科に行くも結局原因不明。

この激痛に襲われた後、前項のヤブ医者で婦人科系の症状が原因不明と言われ途方に暮れていたところ、ネットで次の記事を見つけました。

東京ベイ・浦安市川医療センターの感染症内科の先生のコラムです。


コラム内で紹介されている症状が「右上腹部痛まで含めて私の症状にドンピシャだ!」と驚きました。違ったのは、私は発熱と性病が無かったこと。ただしそれも先生が仰っていますが
「これが出たらPIDだ!」という決定打となるような症状はありません。前述のようにPIDは発熱、下腹部痛、右上腹部痛(肝周囲炎)、帯下の増加・色の変化、性交時痛、不性出血などが症状として出る可能性があります。しかし、いつもこれらが全て揃うわけではなく、程度も軽いものから重いものまで様々です。さらに、無症状の人も多いとされています。
そして『性感染症が原因ではないPIDもある』ということ。実際、性病検査が陰性でもPIDに罹患されている方をネットで見掛けました。
私は診察してもらってPIDではないことが分かりましたが、似た症状がある方や、婦人科系の症状が原因不明と診断された方は、PIDの可能性を医師に聞いてみてください。
PIDは診断が難しく、診断の遅れがしばしば起こります。なぜかというと、
・典型的な症状が揃わず、無症状のこともある。(中略)
・そもそも病気のことを正しく理解している人が多くない。(患者さんも、我々医療者も)。
とのこと。
婦人科系疾患は見極めが難しいとよく聞きますよね。子宮癌の場合もありますし、女性の皆様はどうかお気を付けください。


2シート目服用記録に続きます。



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